藤くんがうちに来なくなって2週間ほどだった。


もう少ししたら定期テストが始まる。


藤くんに教えてもらわなくなって初めてのテスト。


今日は、図書館で勉強をして帰る予定。

家ですると色々思い出しちゃうから。


まだ傷は癒えていない。


藤くんとは相変わらず、学校では話さない。


…これでいいんだよ。


こうしてわたしは、藤くんのことを忘れるんだから。


「奈帆、途中まで一緒に帰ろー!」

「ごめん、今日は図書館で勉強して帰るつもりなんだ!」

「そっか!頑張ってね」


藤くんに勉強を教えてもらうのをやめたことを話した時、愛子は何も言わずに頭を撫でてくれた。


それにも少し泣きそうになっちゃった。