後ろ姿をこうして意識して眺めたのは、あの日以来だろうか。 泣きながら見た藤くんの後ろ姿。 1度も振り返らなかった彼。 今は嬉しくて少し泣きそうなことは、藤くんには秘密だ。 * 「人、多いね…」 「俺らの地区で花火上がるのは、この祭りだけだもんな」 去年は夕方の早い時間に焼きそばだけ買いに来てたから、こんなに人が多いことを知らなかった。 小さい頃は何も思わずに来てたもんね。 わたしも成長したってことです。