「じゃあ、採点できたら一番後ろの人回収して」
わたしの列の一番後ろは、不運なことに藤くん。
「……へぇ、計算ミスね」
わたしの小テストを回収する時、ボソッと呟いた一言があまりにも恐ろしくて視線を彼に向けることが出来なかった。
だって、先生に渡して戻ってくる時も横を通り過ぎるから全力で俯いていないと!目が合った時は、多分眼力で殺されてしまう。
無事、何事もなく藤くんが自分の席に座ったことを感じとり、わたしはようやく視線を先生がいる前へと移すことができた。
「今回、満点だった生徒は6人だ。お、さすが藤だな。過程も完璧だ」
……そりゃ、そうか。わたしが4点で藤くんが満点じゃないとかありえないよね。
ん?藤くんが満点……。

