その後、義高を目の前で失った大姫は、笑うことも感情を表に出すこともしない抜け殻状態になってしまった。さらにもともと病弱だったのがもっと病弱になり、病床に伏せがちになった。

そして、大姫の声は出なくなった。



政子は頼朝に義高を殺したことを怒り、頼朝は義高の首をとった人を処刑した。




大姫は義高の幻影を追い続け、彼女の心はもはや修復不可能となった。


見かねた頼朝は、新たな恋をすれば気も晴れるだろうと思って数々の縁談を持ちかけたが、大姫はことごとくそれらを断り続けた。


最終的に政子の予想通り、頼朝は天皇家への影響を大きくするという自分の野望のために後鳥羽天皇への入内の話を大姫に持ちかけた。


しかしこの話は結果的に大姫の19歳という若さでの死去によってうやむやのうちになくなった–––。