たった4日前、自分があの幼馴染と口げんかした時にはそんな事、知る由もなかったのに。
 
 そんなときだ。恐れと気持ちの悪さをルーテシアが感じ取っている事が伝わったのだろう。俯くルーテシア、その頭上からベルトラインの声が降った。

「のう、ルーテシア様。お話をしておくべき時が来ました。本当はもっと暖かい場で、本当はアナタの元服の宴でお話ししたかった。貴方と私と、そしてこの里の事について……」

「戦闘準備ぃぃぃぃ!!」

 その時のことだ。ベルトラインの言葉に、頭領の怒声が重なった。
 瞬間で一変したベルトラインを含めた里の者達の空気、
 奇しくもその日が、ルーテシアの元服の日。