「いやぁ、さすがは俺のルーテシアだ!こりゃ元服迎えりゃ里のガキまとめる怖え姉御になんぞ‼ 誕生日楽しみじゃねぇか! 祝いは何が良い!鹿か、イノシシか⁉」

「いるか!ていうか誰があんたの物よ!あんたが元服してから私の誕生日に送るもの全部量が多すぎていつも腐りそうになるの!毛皮だってもう小屋に敷き詰めきれない。もっとこう、命を大事にねぇ」

 だが何もなかったようにルーテシアに笑いかけるカルバドス、当たり前だがこれが普段の彼ら二人のやりとり。とはいえルーテシアは疲れ気味、とその時だった。

「若、頭が呼んでいる。幹部集たちもだ」

 里の大人の一人がカルバドスを呼びに来たのだった。刹那、その言葉が似合うだろうか?

 手放しに爆笑していた幼馴染の瞳の光と表情、何か気付くか気付かないか程の一瞬豹変した事をルーテシアは目にする事が出来ない。