「いいか小僧、わしはお前を見極めに来た。お前があの方の前を歩き、押し寄せる障害を切り開き、あるいは切り伏せ、そして守れる者なのかどうかな」

 普段は子供として扱い、邪険そうな表情をカルバドスに見せるベルトライン。だがしかし今は冷酷な、ともすれば無関心そうな雰囲気すら醸す。

「お前が、あの方にとって昔仲が良かった男の子で終わるか、それとも必要とされる男であるかどうかはこの一時を以て決まる。せいぜい、生き延びてみせろ」

 その冷たい眼差しにカルバドスは息をのむ。分かってしまったのだ。

 ベルトラインが今見せたこの雰囲気、これこそが山賊稼業に手を出す里の者達が浮かべる表情。それが、カルバドスにとっての“大人”。

 そして、決して優しくしてくれないが、これはベルトラインからの応援だった。