―カルバドスもそうなっていっちゃうのかな

 そう思って自室からリビングに向かおうとドアに手をかけたルーテシア。声を聴いた。其れは、お頭とベルトラインの真面目そうな声

―あぁ、早いな。あの三日間また来ちゃうんだ。

 真っ先にルーテシアが思い浮かんだのはあの、甲冑姿に身を包んだベルトラインの姿。そう、彼女にとっての3日間の予兆というのがお頭とベルトラインのひそひそ話の光景だったのだ。

「お? ルーテシアじゃねぇか」

「こんにちはお頭! またあの三日ですか?」

 顔を見せるなり気さくに挨拶してくれたお頭にルーテシアは丁寧にそれを返す。だが彼女の言葉にお頭が返した次の言葉は全く彼女の予測と外れ、ともすればルーテシアにとってそれ以上につらい事を言われてしまう。

「あの三日? 良く分からんが、要件を伝えに来た。ベルトライン殿にはもう伝えているんだがな。事はカルバドスの元服についてだ。お前、これからあいつの元服まで会うことを禁止とする」