それから2週間がたつ。

「もうすぐ、カルバドスの13歳の誕生日。成人かぁ。まだまだ馬鹿なアイツが大人ねぇ」

 ルーテシアは密かに近づいてくるカルバドスの誕生日に胸を膨らませていた。近しい友人が元服を迎えるのだ。カルバドスはルーテシアの2歳年上、そう考えればいよいよ自分の番が2年後に迫っている実感が楽しみでもある。

「でも……」

 それと同時に胸の内に黒い霞のようなものが広がっていく感覚があった。