「ライナ、結局ゴメンとしか言われてないのだけれど」

「あぁ、うんゴメンね? 兄ちゃんバカだから」

 そうして乾いた笑い声をあげて困った顔を浮かべるライナの隣にやっとカルバドスが戻ってきた。ベルトラインに彼の分も作ってもらえる事になったのだろう。先ほどの顔を赤らめたときのことなどを忘れて非常に嬉しそうだ。

“兄さん、ホラ”

 当初の目的を忘れたカルバドス、だがライナにそう促されてやっと思い出したように、そして言いづらそうに口を開いた。

「ライナと一緒に、木の実とってきたんだ。その、この前の事があったから」

「3日は頑張ったよね?」

「3日? そんなことで!? いろんなところ擦りむいて、ドロドロで、血だって出ていたじゃない! 謝れば済むことだったのに……」

 やっと話し始めた彼らの内容に、ルーテシアは驚くばかりだ。

「俺たちは、木登りだって得意なんだぞ!」

 彼女の言葉にむきになって反応した反応したカルバドス。だがどうだろう、今の回答は失敗だったのかもしれない。ルーテシアに、新たな怒りの芽を作ってしまったのだから。