「と、いうよりどうしたのその恰好! カルバドスは良いとしてライナまで服ボロボロでそんなドロドロで!」

 まずルーテシアが心配したのはライナの様相だった。彼ら兄弟は仲がいいが、泥だらけに遊ぶことが大好きなカルバドスに反して、ライナはあまり汚れることを良しとしない少年のはずだ。

「まぁ、今回ばかりは父さんにコテンコテンに絞られたからね。お姉ちゃんごめん、ちゃんと話すから。先に袋受け取ってあげて。兄ちゃんが発火するくらい顔を赤くしているから」

 困ったように笑ってそう諭す弟、袋を差し出したまま顔を赤らめて俯く兄、もう少し見てはいたかったがせっかく仲直りをしようとするカルバドスをないがしろにするのも悪いと思ったルーテシアは木の実の詰まった袋を受け取った。