「で、これって何?」

「ん、やる!」

「だから何だって聞いているの!」

 それからしばらくして久しぶりに出会うカルバトスは沢山の木の実を一杯に詰めた袋をルーテシアに無言で差出した。

「ルーテシアお姉ちゃん。貰ってよ。それ、兄ちゃんからの仲直りの印なんだ」

 彼の意図が全く分からない中、これを通訳する者がいた。

「ライナ、仲直りって? だってカルバドスっていつもそんなことしないのに」

 ライナはカルバドスの弟、頭領の二人目の息子だ。

 あの父親にしてこのカルバドスありだとすれば、ライナは髪こそ赤いものの、肌は白い方、母親譲りの澄んだ青い瞳が少し女性寄りの面貌とも相まってとても可愛らしい男の子。

 性格だって柔らかく、とても優しい。