助けて…私は、走らなきゃいけないの。 「風の音を、聞け。風音。」 たった一言で、震えていたはずの足が動き始める。 今のは、涼太? 「涼太っ!!」 振り返っても涼太はいなくて。 じゃあ…誰? 私に声をかけてくれたのは… 何だろう…不思議な感じ。 凄く緊張してたのに、全部吹き飛んじゃった。 “風の音” 私の音。 「1500m、2組目入って下さい。」 「はいっ!!」 ここに立てばもう、怖いものなんてなくなる。