「でもこの間はしなかった。いつもは真剣にプログラムと向き合うのに、その時間が、なかった。」
なかった?
なかったっけ?
「先輩は絶対、1度一緒に走った人は忘れない。それに明るい性格だから、周りの人とすぐ仲良くなって…知らない間に他校のライバルが増えてる。そんな先輩を見て私は、“凄い。”確かにそう思いました。」
『風音ちゃーん!同じ組なんだって!今日こそ勝ちに行くから!』
『げっ…何で小澤さんいるの?』
『かざねぇ…ペース配分一緒に考えてぇ。』
そうだ。
そうだよ。
私の周りにはいつもライバルがいた。
なのに私、この前は何も考えてなかった。
「先輩は気にしすぎなんです。どうでもいいこともどうでもよくないことも。」
どうでもいいことと、よくないこと。

