私のベストを抜かして… 「嘘だ…そんなの…」 抜かれた? 私のタイムが、抜かされた? 嫌、いや、いやだ!! 「いやっ!!」 嫌って言って、どうにかなるわけがないのに、嫌って言葉が口から出たがる。 私、見てなかった。 海音の走り…見てなかった。 「2着でゴールしたのは3年生、小澤海音さん。タイムは、幸村さんに続いて大会新記録です。おめでとうございます!」 大会新記録… その言葉だけでわかったんだ。 私は海音に適わないことが。