「緊張なんて当たり前だよ。俺なんてもっと震えてた。今もね。大丈夫、大丈夫だよ。」 スーハーとゆっくり息をする。 冷たい空気が、酸素が頭を回す。 「走ることを、楽しめ。」 「はいっ!!」 「301番、入って!!」 来た。 悠人、私に襷を持ってきた。 「先輩、行ってきます。」 「うん。行ってらっしゃい。」 不思議。 先輩のおかげかな。 緊張なんて、震えなんて、どっか行っちゃった。 もう、怖くない。