今日で私の初恋は終わりを告げる。

放課後は決戦が待っている。


航大くんを呼び出した。

誰もいない階段の下。

リンチする人みたい…。

「お待たせ‼」

「航大くん…佐久間さんのところに行って…」

「………」

「いつも航大くんが佐久間さんを見てたの知ってた…」

「………」

「いつも私にきっかけをくれてた航大くんへのお礼」

「………」

「初恋、ありがとう‼それじゃ‼」

精一杯笑ったよ…今は見えないから泣いてもいいよね…。

堪えるの無理。

よみがえる記憶。

さりげなくて伝わりにくい優しさも今はわかる…。

楽しかった…苦しかった…。


「ちょっと待って?」

私は立ち止まる。

だけど…泣いちゃってるし振り向けないからそのまま…

「何?」

「勘違いしてない?」

「………勘違いしてないよ‼」

振り向かない。

「俺はゆりの事…好きじゃないよ」

「………嘘………」

「俺は…ブーの方が大事だよ…」

「友達として?」

「特別な存在として…」

嘘みたい。

嘘みたい。

「嘘みたい…」

「俺は舞が好きだよ…」

「私も好きだよ…」

「知ってるよ」

「両想い?」

「そうだな」

これは夢ではないかとほっぺたつねってみた…。

「痛っ‼」

それを見て笑う航大くん。


晴れて両想いになった私達。

だったが…相変わらず読めない性格は変わらず、ケンカもしばしば。

「もう少し連絡して?」

「学校で会えるし」

こんな感じ。

「私の事好き?」

「嫌いじゃない」

こんなところ…。

だけどやっぱり嫌いになれない。

逆にどんどん好きになっていく。

だから…わたしの作戦はまだまだ続きそうだ…。


世間一般に「イケメン」と呼ばれる人と付き合うには大変な事が多いと感じるのは私だけ?


苦しいのに…好き。

恋は病だ。やめられない。

その病を治せるのは愛しい人だけ…。

他の誰でもないあなただけ…。

だから私は今日も作戦を考え続ける…。