「よし、いっぱい泣いたな?」



30分くらい泣いて泣いて泣きまくった杏乃の頭をぐしゃっと撫でる





「じゃあ今から。今の涙で出した分、いっぱい笑えるな!」



「…意味わかんない。ばか」




「素直じゃねーのー。じゃあー…まずは、俺と付き合え!」



「…は?」



「お前が俺のこと好きじゃなくても。俺はお前が好きだ」


「ばか…?普通両思いだから付き合うんでしょ…?」




「そんなこと誰が決めたの?
ま、仮の彼氏ってことで。な?」



「やだよっ」



「ふーん。じゃあこれから、俺のこと好きにさせるから。覚悟しとけよ?」




「…勝手にすれば?」




言葉は素っ気ないくせに、表情が緩んでいる杏乃に思わずキスを落とした