「……」
「俺じゃ、ダメなの？」
そんな時、病室のドアが開いた
「失礼します」
ぺこっと俺に頭を下げたのは、春輝だった
「杏乃ちゃんが入院したって聞いて」
「……先生」
春輝の声を聞いて顔を上げた杏乃
…なんでだよ
「俺より…春輝かよ」
「先輩…？」
「杏乃。俺より春輝のほうがいいのか？」
何言ってんだよ俺
「俺より春輝のほうが頼れんの？」
「ちがっ…」
杏乃のこと追い詰めて何がしたいんだよ
俺まじなんなの。
こんなことして何かなるわけじゃないのに
勝手に口が動く
「俺は頼ってくれないのな」
「先ぱ…」
「春輝がいいなら春輝にすれば？」
「先輩ｯ」
「俺は杏乃にとってどうでもいい存在なんだろ」
「先輩！！」
自分で何を言ってるかわかんない
そんな俺に歯止めをかけるように春輝が声をあげた
「本気でそう思ってるんですか？」
「…なんだよ」
「…出てください」
「は…？」
「１回、ここから出てください。今の先輩は杏乃ちゃんを傷つけるだけです」
「春輝になにがわか…」
「いいから出てください！！」
ほぼ強引に病室の外に出された
