家に入ればもう明音の靴があった
「た、ただいま」
「おかえり。どこ行ってたんだ?」
心配した
と言う明音の返答に困る
「コンビニだよ」
「何も買ってないのに?」
「あ、…さ、財布忘れたの」
「そっか。ばかだなぁ」
「あはは…」
「で、納得すると思う?」
靴を脱いだあたしの手をグイッといきなりひっぱった明音
「わっ…な、なに?」
「なに?じゃないよね。目こんなに腫れてるし、声ももなんかかすれてるのに」
「…気のせいだよ」
思わず目をそらすと、ぐいっと顔をあげられた
「気のせいじゃない。何かあったんだな」
急に真剣な声のトーンになって、緊張が走る
「なにもないよ」
「うそだ。じゃあなんで目腫れてるの」
「わかんない…」
「泣いたからだろ?」
「なっ…泣いてない」
「…春輝に会ってた?」
「へ?」
なんでわかるの…?
「春輝の部屋の芳香剤の匂いする」
「……」
「とりあえず、座って」
ソファに座らされたあたし
隣には明音
なにこれ… お説教…?

