white coat





ようやく涙が止まった頃、外はすっかりオレンジ色だった


「落ち着いた?」


「はい…ごめんなさい…」



「大丈夫だよ。話してくれてありがとう。俺には話聞くことくらいしかできないかもしれいけど、少しでも力になれたらいいな」


「…誰かに話して、だいぶ、楽になりました」



「よかった。もう先輩も帰ってくる時間かな。いつでも来ていいから。また苦しくなったらおいで?毎日でも」


「はい。ありがとうございます」


ゴシゴシと目をこすって、ぺこりと頭を下げる



「あ、あの…」


「ん?」


「明音には…言わないでください」


「うん、わかった」


「本当にありがとうございました」




最後に深くお辞儀をして、先生の部屋を出た