white coat




「…ありがとうございました」


マンションについて車から降りて頭を下げる


「あ、まって。俺の家寄ってきな?」


「え…?」


「言ってなかったっけ。俺、杏乃ちゃん達が住んでるとこの4つ下の階に住んでるんだ」


「えっ」


そうだったんだ…


「今日先輩仕事でしょ?」

「は、い…」


「家に来なよ」


「でも…」


そんなの悪い


「大丈夫。どうせ俺もひとりだし。おいで」


「……」


結局そのまま先生の後ろをついて行って、部屋に入ってしまった



「…おじゃま、します」


「そこに座ってて?」



先生に言われた通り白いソファに腰をかけた



少しするとコーヒーを淹れてくれた先生があたしの向かいのソファに座った



「少しは落ち着いたかな?」


「はい…」


「ゆっくりでいいから…教えて欲しい。聞かせて欲しい」



「……」



しばらく口を閉ざしていたあたしだけど、ちらっと先生の目を見ると優しくて真剣で。


何かがふつっと切れたように、口が開いた