少し歩いてついたところは、人気のない定食屋さんの裏だった
そこで動きをピタリと止めた栞愛ちゃんにあたしの鼓動はありえないくらい早い
「私さ、明音先生が好きなんだよね」
しばらくの沈黙のあとにそう話し出した
「だからあんたが気に入らないの。
だって私よりも全然可愛くないし、家庭にも恵まれてないのに、明音先生の隣にいるんだから」
「……」
何も言い返せないのは、自分でもわかってるから
「…むかつくんだよ。
…次は何してやろうか迷ってさ。
でもやっぱ。これがいちばんすっきりするんだよね」
そう言った瞬間
あたしの頬を平手打ちした
「ッ…」
じんじんと痛む頬
「…消えろよ」
それからは酷かった
恐怖で動けないあたしを、殴ったり蹴ったり
栞愛ちゃんの気が済むまで、あたしはずっと耐えた

