「杏乃、あーの」
明音の声が聞こえて目を開ける
「寝てたのにごめん。お昼なんだけど、なんか食べれそうか?」
ぼーっとする頭で時計を見ると、もう12時をすぎていた
「……」
なんか頭回んない。。
寝返りをしてうつ伏せになる
「杏乃、なんも食べれないか?」
「……」
声を出すのも億劫になるほどだるい
「…熱はかるか」
ぼーっとするあたしを抱き上げて膝の上に乗せた明音
ひやっと冷たい体温計を挟まれる
「頭痛いとかない?」
「……ん」
少しして体温計が鳴った
それを見た明音が うわ と声を出す
「どうする?杏乃。病院で点滴する?」
「…や、だ」
「んー…とりあえず、何か食べよ」
そう言ってあたしを膝からおろしてキッチンに立った
「きつかったら横になってな?」
そんな声を聞いて体を横にした
まぶたが閉じそうになった時、いい匂いがして、体を起こした
「お粥。作ったから少しでいいから食べて?そしたらまた薬飲んで寝よう」
目の前に置かれたお粥
スプーンを握ってお粥をすくってゆっくり口に運ぶ
「…おいひ」
「よかった」
明音の作ってくれたお粥はすごく美味しいのに、お腹が受け付けなくて…
「…ごめん…ごちそうさまでした…」
3分の1も食べずにスプーンを置いてしまった
「大丈夫、気にすんな。じゃあこれ飲んで?」
薬を渡されて渋々飲み込む
「多分これ以上は熱あがんないと思うんだけど…どうしてもきつくなったら病院行こうな」
そう言って頭を撫でる明音のおかげでまた眠れた

