「治療頑張れそ?」



「……」



「俺もいるから。頑張ろ?嫌な事は早く終わらせちゃお」



こくっと頷いた杏乃の頭を撫でる



「じゃ、行こっか」



美海先生に連絡をいれてからもう1度処置室に向かった




ガラ



今度こそ中に入ると杏乃に優しく微笑みかけた先生




少し不安感が抜けたのかぎゅっと俺のスーツを握ってた手の力を緩めた



「じゃあ、そこに横になって?」



そう言われて手を離してベッドに横になった杏乃



「見えるところから処置していくね?」



「はぃ…」



顔や肩、手首や足などから処置していく横で俺は杏乃の頭を撫でた



「いッ…!」


「ごめん、滲みるよね。少し我慢してね」



唇を噛み締めて堪える杏乃






「…よし。あとは、背中とかお腹かな…

服脱いでほしいんだけど…」


「あ、俺出てるね」



「いい…明音いて」


行こうとする俺の手を握ってそう言った



「わかった」


服で隠れていた痛々しい多くの傷を見て息を飲んだ



「これでよく折れなかったね」


そう苦笑いの美海先生



俺もそう思うわ…