それからダラダラとお風呂に入って明音に髪の毛を乾かしてもらった



「もう11時か… 寝る?」


ぼけーっとテレビを見ているとお風呂から上がって上半身ハダカの明音があたしの頭を撫でた



ほぼ毎日この明音の格好を見てるけど…やっぱりなんか恥ずかしい…




「寝るー」



明音の後ろについて寝室に行く





ぽふっとベッドに体を沈める




あー…


すぐにでも夢の世界に飛び込めそう




「なぁ杏乃」


「んー…?」



「俺さ、今めっちゃ幸せなんだけど」


「え?」



なぜか突然そんなことを言い出した明音



「だってさ、会ったばっかのときなんかこんな風に一緒にご飯食べたり寝たりできるなんて夢のまた夢だったし」



「ま、まぁ…」



たしかにあの時は正直嫌いだったかも



「それが今では一緒に暮らせて。なんかさー。夫婦みたい」



さらっとそんなことを言うもんだから、思わず顔が熱くなった




「なっ…夫婦って…」



「杏乃」


「なに…?」



急に真剣になった明音の声



「…そろそろ俺に惚れてくれた?」



「え、え…?」



ドクンと跳ねる心臓



「俺…ずっと待ってるんだけど?杏乃が俺を好きになってくれるの」



そういえば…

こんな風に当たり前に暮らしてるから忘れてたけど、明音はあたしのことを好きって言ってくれてた…



あたしは…


正直よくわからない


でもたしかに分かるのは、今まで感じたことない気持ちが…


ある…ような…



これが恋なのかはわからないけど…



「あ、あたしは

まだよくわからないけど…けど…

嫌いじゃ…ない、よ」


「フッなんだよそれ。やっぱまだまだかぁ。杏乃は難しいな?」



「そ、そんな事言われても…」



反応に困るといきなりギシっとベッドが揺れた


と思えばいつの間にかあたしの真上にいる明音




「あ、明音?」


「…俺、そろそろ限界なんだけど?」


「へ?」



「好きな女が隣に寝てるのに手ださないとか…もう我慢の限界」



な、何言ってるの?



「キスしていい?」


「はぁ?」



「キス。していい?」


「何言って…」



「帰りの車の続き… いい?」




熱を持つように潤んだ目であたしを見る明音



なにこれ…


ドキドキと嫌じゃない心音が大きく聞こえる



「…いいよ」




勝手に口から出た言葉にあたしが1番びっくりしたと思う




だけど、はっ と思った時にはもう遅くて。


気づいたら明音の熱い唇があたしの唇と重なってた