目覚まし時計のしつこいあの音で目が覚めて、ふと窓の外を見ると……半裸の美少女がもう一枚窓を隔てた向こうで着替えをしていた。

遠目にもわかる胸の膨らみの大きさと、肌の白さがダブルパンチで視覚を刺激する。

私の視線に気がついたのか、ふとこちら側を見た彼女と目があった。瞳は大きく見開かれ、頬はみるみる赤色に染まっていきーーー

「キャッ!!み、見ないでよ!!」

朝起きたら、隣に住む幼馴染……の彼女の着替えシーンに遭遇しちゃった☆

「まあいつものことだけどね!!!」

ジリジリうるさい目覚まし時計を殴るようにして黙らせてから、既に毎日の恒例行事となりつつあるこの事態にため息をついた。

ああ、本当はまだまだ眠っていたかったよ。確実に、私の目の下には大きなクマができているはず。

なぜかって??昨夜は隣がアンアンアンアン煩かったからね!!全く寝付けなかったんだ。

「あ、おはようブス」

「もう永遠にすっこんでろチャラ男!!」

死角に引っ込んだ彼女の代わりに顔を覗かせたのは、見るからにチャラい金髪のイケメン。

実はこいつ、本当に本当に不本意ながら、私の幼馴染だ。これっぽちも認めたくないけれどね!!縁というものはいろいろと厄介なのだ。

ご覧の通り顔良し頭よし運動よしのほぼ完璧人間だけど、性格だけはどの人間よりも駄目だ。だってホラ、こちらの苦悩を知ってか知らずかーーいや、絶対分かっててやってるなコレ。今のようにぬけぬけと私に挨拶を投げかけてくるんだよ?本当にクズだと思う。

「ほんっっっと、見た目だけはいいのにねー……」

悔しいけれど、やっぱりそれは認めざるをえない。
何日連続かな?ってくらいの頻度で見ていても、やっぱり見飽きないから。奴の晒し出された上半身は細身でありつつもしっかりとした腹筋で覆われていて、全体的に均一がとれている体つき。まさに、肉体美といったところか。
よくよく見れば、鎖骨のあたりに無数の赤い斑点が……あ、(察し)

「まあ、ブスで彼氏できないからって嫉妬すんなよ」

「わかった、死ね!!」

今日も、私の投げた目覚まし時計が男の顔面にクリティカルヒットするのだった。