貴方との奇跡

閉店近くまで4人でお店にいた。

最初は中々、話せ無かったけど、時間が経つのが早かった。

そして、案外、川野先輩はしっかりしてることも解った。

横山先輩が解剖実習の時に、倒れそうになっている所を助けたり、学年10位以内に入る秀才だってことも。

人って見た目じゃあ無いんだな。

でも、女の人に対してはチャラいらしい。

因みに詳しくは教えてくれなかったけど横山先輩が話してた。





帰り道、3人とは違う方向へ帰らなくてはならない私に、夜道1人だと危ないから、川野先輩が送ってくれる事になった。


最初は全力で断ったんだけど、結局、押し切られた。

2人切りになると何を話したら良いか解らなくなった。

気候の話?

イルカの話?

それとも…………。

「寒くない??」

「大丈夫です。」


5月の中旬は夜、薄着だと寒いんだよね。

今日、昼間暖かかったから薄着来ちゃった。

でも、我慢するしかないよね。


「本当は寒いんでしょう。これ、着て。」


私の肩に川野先輩が着ていた上着を掛けてくれた。

「ありがとうございます。」

素直に借りよう。


「素直でよろしい。素直な茜ちゃんは可愛いよ。」


優しいけど、随分子供扱いされてるんですけど。

何かちょっとムカついた。