元カレバンドDX

 風太が、お酒を飲んで酔うと浮気をしてしまう人だなんて、このとき初めて知ったあたしは、目玉が飛び出しそうになるくらい驚いた。

そして、何より驚いたのは……

「え!?てゆうか、1週間前の話なんだ!?昨日まであたしと普通に過ごしてたよね!?」

「……陽愛ちゃんには悪いけど、黙って内緒にしておこうと思ったんだ。けど、陽愛ちゃんのことを思うたびに苦しくなって、我慢できなくなって……自分はなんて最低な奴なんだって、自己嫌悪になって……だからオレは陽愛ちゃんと付き合う資格ないなって思った……」

 ようやく風太の思考が理解できたあたしは、怒りや悲しみではなく安堵した。

「別にその女の子のことが好きとかじゃないんだよね?」

「……うん、陽愛ちゃんが好き」

 小さく縮こまる風太は、こんなときでも愛おしい。

「じゃあ別にいいよ。怒ってないって言ったら嘘になるけど、許してあげるから別れるなんて言わないで?」

 浮気した彼氏を目の前にしたとき、あたしは「許す」側の女なのだと、このとき初めて知った自分のデータだった。