元カレバンドDX

「おーい!風ちゃん!もしもーし」

 少しすると、電話の向こうですすり泣く風太の声がした。

「どしたの!?なんで泣いてるの!?」

 あたしは動揺を隠せなかった。

 風太が泣いているなんて初めてのことだからだ。

 付き合ってから1度も見たことがないし、もっと言えば、男の人が泣くのを目の当たりにしたことさえなかった。

「……っく、陽愛ちゃん……ごめん……」

「え!?なんであやまるの!?」

 あたしの頭の中には、はてなマークが飛び交った。

「ひっく……ごめん……ごめん陽愛ちゃん……別れたいんだ」

「えーーーー!?!?!?」

 泣いている理由もわからず困惑しているのに、さらに別れを切り出されたあたしは混乱した。

 そして、ただ事でない雰囲気にあたしは息を詰める。

「なに?落ち着いてよ風ちゃん。何があったの?」

 諭すように話すあたしに、風太はそっと口を開いた。