元カレバンドDX

「え?うんうん。バンドも順調だよ~!風ちゃんともうまくいってるし、え?うん、バイトも続けてるよ~うん、へ~そうなんだ~」

 久しぶりの小巻との長電話を楽しみながら、あたしはベットの上で雑誌をめくっていた。

 季節は桜も舞い散る春休み。

 大学生という素敵なモラトリアムを、あたしは大いに満喫していた。

「うん、わかった。じゃ~ね~!は~い、おやすみ~!!」

 電話を切ると、0時をまわっていた。

 そろそろ寝ようかな?と、電気を消して布団の中に入ろうとした、そのときだった。

 また携帯が鳴ったのだ。

(ん?あ、風ちゃんからだ……)

「はーい、もしもし?どしたの?」

 いつもの調子で電話に出たあたしは、いつもの調子で聞こえてくる風太の声がしないので首をかしげた。