元カレバンドDX

「ちょっと待ってて」

 風太が部屋着に着替えたり、くつろぐ準備をしている間も、あたしは1本のアコースティックギターに釘付けだった。

(なんで風ちゃん家にギターが!?!?)

「このギターさ、陽愛ちゃんのために買っちゃったー!!」

「えーーー!?」

 スウェット姿になった風太は、得意気な顔でギターを抱えた。

「てか、風ちゃん、ギター弾けるの!?」

「コードくらいならね」

 そう言って、にんまりと笑う風太はギターを弾き始めた。

(ん?この曲、どこかで聞いたことがあるような……)

 その音色は、さっきまで聞いていたような、あたしの身近にあるような、そんな曲だった。

「……あ!!!」

「わかった??」

 ニッと微笑む風太に、あたしは涙が込み上げて来た。