元カレバンドDX

「ん?うん、まあいっか!もう陽愛ちゃん怒ってないし!」

 風太も笑顔になってあたしに甘えてきた。

 風太には理解できないかもしれないけれど、これで恋愛もうまくいくと思った。

 元カノの存在を好む彼女なんていない。
 
 誰だって嫌がるものだ。
 
 でももしその憎むべき元カノが近くにいたら?

 答えは簡単。

 その元カノに勝っていればいいのだ。

 そうすれば気になんてならなくなる。

 あたしは、風太の胸板に思いきり顔をうずめて、勝利を誓うのだった。