元カレバンドDX

夕ごはんを買いに外へ出ようとしたときだった。

「ピンポーン」

 ふいにチャイムが鳴り、あたしは玄関に向かう。

 こんな時間に尋ねて来る人なんてひとりしかいない。

「やっほ」

 ドアを開けると、コンビニの袋を持った風太がニコッと笑った。

 あたしは風太を中に入れ、受け取った袋の中をあさってみる。

「あ~!お弁当買って来てる~!!さすがは風ちゃん!!ちょうど買いに行こうかなって思ってたんだよ」

 からあげ弁当を手に、あたしは嬉しい悲鳴をあげた。

「うん、おなか減ってるかな~と思って。てゆーか、なんか陽愛ちゃん、元気!?」

 早速お弁当のふたを開け、ひとつめのからあげを頬張るあたしに、風太は少し引きつり気味に笑った。

「え?なんで?」

「だって、昨日電話であんなに荒れてたじゃん。だからオレ、きちんと話そうと思って来たんだよ?」

「あ、そうだったね」