あたしは「ちゃんと朝ごはん食べますね☆」と返信をし、そのまま起きて支度を始めた。

(あ、もしかして気に入られてるのかも……!?)


 そうか。あたしは気に入られているのだ。

 直々に電話をかけて面接するくらいなのだから、あたしはすごくいい線をいっているのだ。

 あたしは、坂井田に言われた通り、ちゃんと朝ごはんを食べ、鼻歌交じりで学校に向かった。

「ねぇ、さっきからだれとメールしてるの~?」

 ひそひそ声で、小巻が話しかける。

 今は、退屈なジェンダー論の講義中だった。

「ん?坂井田さん」

「だれ?さかいださんって」

「プロダクションの人だよ」

「え!?昨日の面接受かったの!?」

 思わず大きな声を出す小巻に、「し~」と静かに指を立てた。

「まだ来週に実技審査があるんだけど、たぶんいい感じだと思う」

「へ~よかったね!あとで詳しく聞かせてね」