「ふーん、元カレバンドか……いいじゃん!やってみたら?陽愛ならできそうだよ」

 ただ者じゃない小巻の言葉は、いつだって自信になる。

「うん!がんばる!」

「早くアリーナとかで歌う陽愛を見せてよね!」

 小巻の優しい言葉に、あたしは下手なウインクで返事をした。

 愛を求めて三千里?

 たとえ遠まわりをしても、いつか真の愛を掴めるのなら、あたしはそれでも構わない。

 それまであたしは夢を追いかけていよう。

 彼らと育んだ愛は消えたけれど、彼らからもらった大切な夢は、どんどん大きくなるばかりだ。

 だからあたしは夢を叶えていよう。

 最後に笑うその日が来るまであたしは決してあきらめないのだ。


【on keyboard 北斗-END】