元カレバンドDX

【うん、いいよ!】

 なあんて、結局OKしちゃった自分が、なんだか可愛い。

 しばらくすると、予想通り彼からの着信が来たので、心の準備もそこそこに、あたしは通話ボタンを押した。

「も、もしもし……?」

「あ、陽愛?大丈夫?眠くない?」

「うん、大丈夫だよ」
 
 彼に聞こえないように、ゴクンと唾を飲み込んだ。

「今度さ、一緒に遊ぼうよ」

「え?あ、うん。あたしもまたスバルくんに会いたいなって……」

「呼び捨てでいいよ、スバルって呼んで」

「あ、うん、スバル……くん……」

 結局呼び捨てにできなかったあたしに、彼が笑って話しだす。

「本当に陽愛って可愛いのな~。来週の金曜日の夕方頃なんてどう?空いてない?」

「金曜日の夕方?たぶん大丈夫だけど……なんで?」

「陽愛ん家に遊びに行ってもいい?」

「え!?なんで!?」

「なんでだろうね~?」

 質問を質問で返されると、なんて答えたらいいのか分からなくなる。

「ダメ?すごい遊びに行きたいんだけどなー」

「……なにして、遊ぶの?」

「ん~、おままごとでもする?」

「お、おままごとするの!?」

 この状況に精一杯で、彼のボケに突っ込めるほど、今のあたしには余裕がないみたいだ。

「じょーだんだって!!本当に陽愛って可愛いのな~」

 彼の言葉は、いちいちあたしの急所を突いて困ってしまう。

「ねぇ、陽愛~、ダメ~?」