元カレバンドDX

「嫌じゃないです!!」

 思ったより大きな声が出て、自分でも驚いた。

 北斗は、クスクスと笑いながら「よかった」と言って、あたしの肩を抱いてホテルの中へと入っていった。

 彼のこころの中は見えないけれど、よく考えたら、あたしに断る理由なんてなかった。

 ミーハー心が、あたしをくすぐる。

 だって、相手は憧れの「北斗さん」なのだ。

 こんなチャンスは滅多にない。

 それに――

 それに、あたしは北斗のことが好きなのだ。

 やっぱりあたしに断る理由なんてない。

 部屋に入って、先にシャワーを浴びる北斗を待ちながら考えた。

 北斗に限らず、男の人の気持ちはよくわからない。

 けれど、好きになった女は弱い。

(好きになった方が負けだよなぁ……)