元カレバンドDX

 両手をジャケットのポケットに入れて、真横のラブホテルに平然と入っていく北斗を見て、

 あたしの脳みそは、理解不能のエラーを示した。

「あれ?ここまで来てどうしたの?」

 北斗は立ち尽くしているあたしの方に戻って来た。

「あ、いや、そういうこと……なんですか?」

 なんて質問したらいいのかわからなくて、言葉選びに困る。

「まぁ、そういうことになると思うけど」

 続けて北斗が言う。

「地図を見て来たってことは、いいってことなんでしょ?」

「……!?」

 確かにあたしは、地図アプリを見ながら来たけれど、まさかここがラブホテル街だなんて気付かなかった。

「急に嫌になったんなら帰るけど」

 不機嫌そうになる北斗の顔を見て、思考より先に言葉が突いて出た。