元カレバンドDX

「でね、モッツァレラチーズとトマトのパスタを作ってくれたんだよ!!すごくない!?」

「へ~、男の人に料理なんて作られちゃうと、それが誰でもコロッといきそうだね。特に陽愛なんか……」

「しかも、あの北斗さんにだよー!!!!!きゃ~!!!!」

「……うん、そのフレーズ、もう何度も聞いたからね」

 小巻は呆れた顔をしてカプチーノを飲んだ。

 あたしと小巻は、休講を利用して、渋谷の隠れ家風カフェでお茶をしている。

「でさ、ちゃ~んと家まで車で送ってくれたの!!超感激じゃない!?」

「ふ~ん、わたしはよく知らないけど、その人って、陽愛にとってそんなにすごい人なんだ」

「もうすごいなんてもんじゃないよ!!」

「じゃあなに?」

「とにかくすごいの!!!!!」

「…………」

「風ちゃんにも一部始終を話したら、陽愛ちゃんと代わりたいって言ってくれたもん!!」

「へ~風太くんも憧れるほどなんだ」

「うん!風ちゃん『今度会わせて』なんて言うんだよ~」

 カフェモカをひとくち飲んで、風太の顔を思い浮かべる。