元カレバンドDX

 大学に入ってから今日まで、あたしには彼氏というものがいなかった。

 もっと厳密に言うと、好きな人さえ現れなかった。

 “出会い”らしい“出会い”がなかったのだ。
 
 それなのに、こんなに急スピードで展開していくこの恋は、

 もはや「運命」としか言いようがないと思った。

 あたしとスバルくんは、赤い糸で結ばれた「運命の恋人」同士なのだ。

 あたしは、新しく届いたメッセージに、きらきらと潤ませた瞳で目を落とす。

【あのさ、今、電話してもいいかな?】

(でででで、電話~~~~!?!?!?!?)

 さらに思いがけない展開に、あたしの脈はドクドクと速くなる。

 彼と話したいけれど、話したくない!という、恋する乙女特有の迷いが生じている。

 だって、絶対に緊張するし、うまく話せるか分からないじゃない……なんて思いつつ、震える指先でゆっくりと返信するあたし。