元カレバンドDX

「あ、わかりますか?はちみつの香水をつけてるんです。あ、でもこういう匂い嫌いだったらごめんなさい!!」

 もしかして迷惑かも……と心配になる。

「いや、全然好き」

 謝るあたしを見て、北斗は横目で笑った。

 別に深い意味はないと思うが、あたしの心臓はシートベルトよりきつく締められた気がした。

「そういえば、歌詞書いてきた?」

「あ、はい!書いてきました!」

「陽愛の歌詞たのしみにしてるね」

「はい!」

 夢のような時間を乗せた車は、住宅街にあるマンションの駐車場に止まった。

「おまたせ~ここだよ」

「へ~すごいですね!」

 車から降り、改めてマンションを見ると、いかにも家賃が高そうでおしゃれな造りだった。

 さすがは新進気鋭のアーティスト「北斗」である。