「大丈夫?」

「えっ?」

声がした方を見てみれば、私よりも年上でスーツを着た優しそうな男の人が立っていた。

「こんなところで何してるの?」

「えっと」

何と答えればいいかな。
さすがに家出してきましたなんて言えるわけない。
なんとなく、恥ずかしい。

「……その前に、服とかどうにかしないとだよね」

「あの……?」

「まず、家においで。その格好じゃあどこにも行けないからね」

「あっ、は、はい」