電車を乗り継いで約30分で学校に着く。


俺は、香川 雫(かがわ しずく)19歳。


専門学校2年生。


来年の春に卒業して就職する。


夜はバーでバイトをしている。


キャバクラの黒服やホストのバイトをした事もある。


高校生になってから ずっと水商売のバイトしながら女遊びを沢山してきた。



どんなに恋愛ゲームを繰り返しても、俺の”傷”は癒えない。


(傷・・なのか・・?)


何度もよぎる疑問。


そもそも、俺に真っすぐな愛情は無かった。


屈折した、歪んだ愛情・・・なら 受けたような・・。




<雫を傷つけたくないから>




そんなセリフ、聞きたくなかった。


ただ、傍にいてくれるだけで良かったのに。



いつからか、俺は諦めたんだ。


愛情は無条件に与えられるもの。


だから、愛情も与える事が出来る。



でも、


俺には与えられない。


だって、”愛情”ってやつが わからないから。