俺はトレーにコーヒーと角砂糖とミルクの入ったポッドを乗せてリビングに運んだ。
長いソファの真ん中にちょこんと座っているまなみの前にコーヒーカップを置いた。
「ありがとうございます」
とまなみは俺を見た。
俺も正面のソファに座り
「敬語なんか使わないでください」
と笑顔で答えた。
ガラステーブルの中央には銀製の灰皿が置いてある。
「煙草吸ってもいいですか?」
と俺は聞いた。
まなみはコーヒーにミルクと角砂糖をひとつ入れながら
「どうぞ」
と答えた。
俺はポケットから煙草を出してカチンと火をつけた。
ふうっと煙を吐いてコーヒーを一口飲んだ。
まなみは両手でカップを持ちながら、
「どうして何も聞かないの?」
とはじめて俺の目をまっすぐ見て聞いてきた。
その目は一重のわりに大きくて、澄んでいた。
俺はその目をジッと見つめ返しながら
「話したいなら聞きますよ?」
と優しく微笑んだ。
まなみは少し目元が緩んで語りだした。
「私は社長秘書をしていて・・梶原社長とは何回か面識がありました。
もちろん梶原社長がいろんな飲食店を経営していたのは知ってました。」
と言ってまなみはいったん口を閉じ持っていたコーヒーカップを口に運んだ。
(つまり、キャバクラや風俗店をやってるって事は知ってたわけだ)
と俺もコーヒーを飲みながら煙草の煙をはいた。
まなみはカップを置いて
「梶原社長は私をその・・気に入ってくれていたみたいで・・
困った事があったらいつでも連絡してきてって
プライベート用の名刺をくれました。
それで、今日梶原社長に電話したんです」
とまなみは俯いた。
「お金に困った訳ですね?」
と俺は単刀直入に聞いた。
「はい・・それも多額なお金で・・」
とまなみは涙交じりの声になってきた。
「社長に相談したら、ふ、風俗を、すすめられました・・」
と言って泣き出した。
(やっぱりそっちか)
と俺は思って煙草を消した。
そして立ち上がってティッシュボックスを取りに行ってまなみの前に置いた。
まなみは泣きながらティッシュを何枚も摑み涙を押さえた。
俺は少し距離を置いてまなみの隣に座り
「風俗は必要悪ですよ。
社会には必要な”職業”。
身も心も汚れるわけじゃないですよ」
と呟くように陳腐なセリフを言ってしまった。
するとまなみは俺を見て、わーっと泣きながら抱きついてきた。
俺は動じることもなくまなみを受け止め抱きしめた。
まなみは俺にしがみついて激しく泣いた。
長いソファの真ん中にちょこんと座っているまなみの前にコーヒーカップを置いた。
「ありがとうございます」
とまなみは俺を見た。
俺も正面のソファに座り
「敬語なんか使わないでください」
と笑顔で答えた。
ガラステーブルの中央には銀製の灰皿が置いてある。
「煙草吸ってもいいですか?」
と俺は聞いた。
まなみはコーヒーにミルクと角砂糖をひとつ入れながら
「どうぞ」
と答えた。
俺はポケットから煙草を出してカチンと火をつけた。
ふうっと煙を吐いてコーヒーを一口飲んだ。
まなみは両手でカップを持ちながら、
「どうして何も聞かないの?」
とはじめて俺の目をまっすぐ見て聞いてきた。
その目は一重のわりに大きくて、澄んでいた。
俺はその目をジッと見つめ返しながら
「話したいなら聞きますよ?」
と優しく微笑んだ。
まなみは少し目元が緩んで語りだした。
「私は社長秘書をしていて・・梶原社長とは何回か面識がありました。
もちろん梶原社長がいろんな飲食店を経営していたのは知ってました。」
と言ってまなみはいったん口を閉じ持っていたコーヒーカップを口に運んだ。
(つまり、キャバクラや風俗店をやってるって事は知ってたわけだ)
と俺もコーヒーを飲みながら煙草の煙をはいた。
まなみはカップを置いて
「梶原社長は私をその・・気に入ってくれていたみたいで・・
困った事があったらいつでも連絡してきてって
プライベート用の名刺をくれました。
それで、今日梶原社長に電話したんです」
とまなみは俯いた。
「お金に困った訳ですね?」
と俺は単刀直入に聞いた。
「はい・・それも多額なお金で・・」
とまなみは涙交じりの声になってきた。
「社長に相談したら、ふ、風俗を、すすめられました・・」
と言って泣き出した。
(やっぱりそっちか)
と俺は思って煙草を消した。
そして立ち上がってティッシュボックスを取りに行ってまなみの前に置いた。
まなみは泣きながらティッシュを何枚も摑み涙を押さえた。
俺は少し距離を置いてまなみの隣に座り
「風俗は必要悪ですよ。
社会には必要な”職業”。
身も心も汚れるわけじゃないですよ」
と呟くように陳腐なセリフを言ってしまった。
するとまなみは俺を見て、わーっと泣きながら抱きついてきた。
俺は動じることもなくまなみを受け止め抱きしめた。
まなみは俺にしがみついて激しく泣いた。

