タキシードに着替えてバーに出れば客はほぼ満席。
土曜日はいつもよりさらに客で賑わう。
ここはお洒落なバー、賑わうと言っても上品に賑わう。
カウンターの中では花形バーテンダーがカチカチとシェーカーを振り、
別のバーテンダーは芸術的な フルーツの盛り合わせを作っている。
俺は色とりどりのカクテルをトレーに乗せて ボックス席を泳ぐように行き来する。
そうして夜中の2時を過ぎる頃には一般客からお水系のお客に入れ替わってくる。
ドアの開く音がして「いらっしゃいませ」と俺がドアの方へ顔を向けると、
この店のオーナーとOL風の若い女の人が入って来た。
「オーナー、お久しぶりです」
と俺が一礼すると、
「やあ、亮(りょう)。久しぶりだね」
とオーナーは精悍な笑顔を向けた。
<亮>とは俺がホストクラブのバイトをしてた時の源氏名。
オーナーはキャバクラ、ホストクラブ、風俗店、バー、カラオケボックスなど
多角的な経営をしている53歳のダンディ男。
俺に、一色 亮(いっしき りょう)と名前をつけてたまにホストクラブを手伝わせる。
「この子はね、今日俺がスカウトした女の子」
とOL風の女を俺に紹介した。
スカウトされるだけあって美人だ。
でも、可愛らしい雰囲気をかもしだしている。
「カウンターとボックス席、どちらがいいかな?」
とオーナーは店内を見渡しながらその女に聞いた。
「お、お任せします・・」
と女は緊張したような声で答えた。
「じゃあ、カウンターにしよう」
とオーナーは 女をエスコートするように肩に手を置いた。
「どうぞ、こちらへ」
と俺も女に笑顔を向けた。
すると女は俺の顔を見て少し赤くなった。
(ふーん、これからキャバ嬢か風俗デビューか?きっと素人だろう)
と俺は心の中で目踏みしながらカウンターの席へ案内した。
女はおどおどしたような感じでカウンターのスツールの席に座った。
黒のタイトのビジネススーツみたいな服を着ていた。
「俺はいつもの。まなみちゃんは何がいい?」
とオーナーはメニューを”まなみ”という女に見せた。
オーナーはここへ来るときは必ずジントニックを頼む。
メニューを見ていたまなみは
「一番アルコールの少ないのをお願いします・・」
と俺を上目使いに見た。
まるで俺に助けを求めるような眼差しに少し驚いた。
「わかりました。カシスオレンジのリキュール少な目でいいですか?」
と俺は優しく聞いた。
まなみは 安心したように「お願いします」と答えた。
俺は簡単なカクテルなら作れる。
カチカチとシェーカーを鳴らして二人の前にカクテルを置いた。
オーナーは煙草に火をつけて煙をはいた。
そしてジントニックを一口飲んで、
「亮に頼みがあるんだが・・この後まなみちゃんをお願いしてもいいかな?」
と俺を見た。
「はい?」
と俺は意味が分からずオーナーを見た。
「まなみちゃんもそれでいいかな?」
とオーナーは笑顔でまなみを見た。
まなみはカクテルを両手に挟んで
「お任せします・・」
と答えた。
(どういうことだ?)
と思ったけど、オーナーは言い方は優しいがこれは”命令”である事はわかっている。
「この後はどちらへご案内すればいいんですか?」
と俺は聞いた。
オーナーはポケットからカードキーを出してマンションの名前を告げた。
俺は驚いた。
そのマンションは 超高層マンション。
オーナーにとって大切なゲストをお呼びする部屋。
「これ、タクシー代」
とオーナーは2万円をまなみに渡した。
(おいおい、こっからなら2000円くらいだろ)
と俺は思ったが 当然顔には出さない。
「ほら、あげっていいよ」
とオーナーは俺に催促するように言った。
「あのう、お願いするというのは・・」
と俺は聞いた。
オーナーはゆったりと煙をはいて、
「俺が帰るまで見張ってて。寝てていいから」
とからかうように言った。
”寝てていいから”
という言葉にまなみは ピクリと反応した。
それを見てオーナーは
「大丈夫、亮は優しいから」
とさらに意味深な言い方をした。
(まったく、この人は・・)
と俺は心の中で憎めないオーナーに ため息をついた・・。
土曜日はいつもよりさらに客で賑わう。
ここはお洒落なバー、賑わうと言っても上品に賑わう。
カウンターの中では花形バーテンダーがカチカチとシェーカーを振り、
別のバーテンダーは芸術的な フルーツの盛り合わせを作っている。
俺は色とりどりのカクテルをトレーに乗せて ボックス席を泳ぐように行き来する。
そうして夜中の2時を過ぎる頃には一般客からお水系のお客に入れ替わってくる。
ドアの開く音がして「いらっしゃいませ」と俺がドアの方へ顔を向けると、
この店のオーナーとOL風の若い女の人が入って来た。
「オーナー、お久しぶりです」
と俺が一礼すると、
「やあ、亮(りょう)。久しぶりだね」
とオーナーは精悍な笑顔を向けた。
<亮>とは俺がホストクラブのバイトをしてた時の源氏名。
オーナーはキャバクラ、ホストクラブ、風俗店、バー、カラオケボックスなど
多角的な経営をしている53歳のダンディ男。
俺に、一色 亮(いっしき りょう)と名前をつけてたまにホストクラブを手伝わせる。
「この子はね、今日俺がスカウトした女の子」
とOL風の女を俺に紹介した。
スカウトされるだけあって美人だ。
でも、可愛らしい雰囲気をかもしだしている。
「カウンターとボックス席、どちらがいいかな?」
とオーナーは店内を見渡しながらその女に聞いた。
「お、お任せします・・」
と女は緊張したような声で答えた。
「じゃあ、カウンターにしよう」
とオーナーは 女をエスコートするように肩に手を置いた。
「どうぞ、こちらへ」
と俺も女に笑顔を向けた。
すると女は俺の顔を見て少し赤くなった。
(ふーん、これからキャバ嬢か風俗デビューか?きっと素人だろう)
と俺は心の中で目踏みしながらカウンターの席へ案内した。
女はおどおどしたような感じでカウンターのスツールの席に座った。
黒のタイトのビジネススーツみたいな服を着ていた。
「俺はいつもの。まなみちゃんは何がいい?」
とオーナーはメニューを”まなみ”という女に見せた。
オーナーはここへ来るときは必ずジントニックを頼む。
メニューを見ていたまなみは
「一番アルコールの少ないのをお願いします・・」
と俺を上目使いに見た。
まるで俺に助けを求めるような眼差しに少し驚いた。
「わかりました。カシスオレンジのリキュール少な目でいいですか?」
と俺は優しく聞いた。
まなみは 安心したように「お願いします」と答えた。
俺は簡単なカクテルなら作れる。
カチカチとシェーカーを鳴らして二人の前にカクテルを置いた。
オーナーは煙草に火をつけて煙をはいた。
そしてジントニックを一口飲んで、
「亮に頼みがあるんだが・・この後まなみちゃんをお願いしてもいいかな?」
と俺を見た。
「はい?」
と俺は意味が分からずオーナーを見た。
「まなみちゃんもそれでいいかな?」
とオーナーは笑顔でまなみを見た。
まなみはカクテルを両手に挟んで
「お任せします・・」
と答えた。
(どういうことだ?)
と思ったけど、オーナーは言い方は優しいがこれは”命令”である事はわかっている。
「この後はどちらへご案内すればいいんですか?」
と俺は聞いた。
オーナーはポケットからカードキーを出してマンションの名前を告げた。
俺は驚いた。
そのマンションは 超高層マンション。
オーナーにとって大切なゲストをお呼びする部屋。
「これ、タクシー代」
とオーナーは2万円をまなみに渡した。
(おいおい、こっからなら2000円くらいだろ)
と俺は思ったが 当然顔には出さない。
「ほら、あげっていいよ」
とオーナーは俺に催促するように言った。
「あのう、お願いするというのは・・」
と俺は聞いた。
オーナーはゆったりと煙をはいて、
「俺が帰るまで見張ってて。寝てていいから」
とからかうように言った。
”寝てていいから”
という言葉にまなみは ピクリと反応した。
それを見てオーナーは
「大丈夫、亮は優しいから」
とさらに意味深な言い方をした。
(まったく、この人は・・)
と俺は心の中で憎めないオーナーに ため息をついた・・。

