一番近くて 手の届かない君へ

もう夜明けに近かった。


何度もいってぐったりしている沙耶の体を包み込むように抱きしめながら、


「どうして学校わかったの?」


と聞いた。


「・・初めての時、品川にある専門学校って言ってたから・・」


と沙耶は俺の胸に顔を預けてけだるそうに答えた。


俺は沙耶の髪を撫でながら


「あの後、何回かラインしたんだけど」


と呟いた。


「・・知ってる・・わざと既読にしなかったから・・」



「わざと?」


と沙耶の髪に指を絡ませながら聞いた。


「・・あの時私、余裕がなくて・・君に頼っちゃいそうで・・


 そんな事したくなかったから・・」


と沙耶は眠そうに答えた。



「そっか・・」


俺はこれ以上踏み込まない方がいいような気がして黙った。



そのうち沙耶のすやすやとした寝息が聞こえてきた。



(頼っていいのに


 俺を利用してもいいのに)



沙耶はちゃんとわきまえてる。


面倒くさい女にはならないだろう。



(でも、こういう女は魅力がある


 俺にとって面倒くさい女に当てはまる


 何故って放っておけなくなるから・・)



俺はいつだって都合のいい男なんだから。


と思いながら俺も深い眠りに沈んだ・・。