「だからね、今から夏が終わるまでお試しってことでどうかな?」





は、はぁ…。あ、いや!!!!






「いやあの!!!」







「もし、付き合ってくれたらなんでもお願い聞いてあげる」







「いや、結構です。」







また言葉は遮られ、何を言い出すかと思えばニコッと笑ってそんなことを言われた。








お願いなんてあるわけ!!!









「んー…」








黒瀬くんは下をむいて唸った。この間に帰ろ。










1歩を踏み出した時だった。










「わかった、一生のお願い!
ほんとに、これだけはまじで!」








命の危機のような表情をしてすがってきた、え、え?







「こんなにお願いしてるのに…ココちゃんは聞いてくれないのかな………」




えっ…





「聞いてくれなかったら…俺…そこの崖から飛び降りちゃおうかな…」






!?






「あーぁ…ココちゃんが付き合ってくれないならもう生きてけないや…………はぁ…………」







黒瀬くんの右目から1滴涙が零れた。









高校生にもなって…!?











「じゃあココちゃん…俺…逝く…ね…」








ぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああもう!!!!






「わ、わかりました!夏の間だけね!!!」







彼はにやりと笑って嬉しそうに「言ったね」とつぶやいた。















-黒瀬くんは私を操るのがうまかった。





今思えばそれも私のことをちゃんと知ってたからなんだなって思えた。-