「で、そろそろ落ち着いた?」
あたしは今、この毒舌美少女さんに公園に連れられてきている。
「落ち着いた。ありがとう。」
「ならいいや。
私、あおい。一条 あおい。
あんたは?」
「あたしは永瀬 ゆづる。
今年で15になった。」
「じゃあ、3つ下だ。
でさ、ゆづるはなんで泣いてたわけ?」
「あたし、彼氏にフラれて泣いてたんだ。」
「へー。すっごい偶然。私も。」
「クリスマスに奇跡ってホントにあるんだね。」
「さっきぶつかったの、私フラれたのが悔しくて悔しくて、家飛び出してきて。前見てなかったんだ。ごめん。」
「ううん。あたしもだから。気にしないで。」
「・・・ゆづるっていいやつだね。」
「(笑)・・・って、今何時!?」
「うわ、深夜1時!」
「深夜は分かる。あたし、帰んないと。」
「私も。家どこ?」
「桜ヶ丘の辺り。」
「私も。ホントに気が合う。のってく?」
と、自転車の荷台を軽く叩いた。
「うん!」


