「はぁ」

「さっきまでの元気はどこいったのよ」



なごみが呆れた様子で問いかける。
私はなごみを一瞥して窓の外を見ながら言った。



「先生が好きすぎて、」

「あーはいはい」



…酷くない?
聞いてきたのはそっちなのに。



「最後まで言わせてよ」

「どうせ “先生が好きすぎて死にそう” とか言うんでしょ」



エスパー!!

そう思った私は顔に出ていたのか「バカ」となごみに三度目の顔面参考書をくらった。


…鼻が低くなって高来先生に好きになってもらえなかったら、なごみのせいなんだから。


そのときはなごみを恨もうと心に誓った。